2015年12月20日日曜日

第133回:「別れる力 大人の流儀3」伊集院 静

レーティング:★★★★★☆☆

伊集院さんの三冊目です。書評としては前二冊とかなり似通った内容になってしまうのですが、引き続き著者のいろいろな思いが詰まっています。故・夏目雅子さんとの死別もそうですが、いねむり先生との別れなど、様々な人生における別れにフォーカスしていますが、もともとが雑誌の連載ですので、それ以外の普通のコンテンツもたくさんあります。

三冊目ともなるとやや感想が薄れてくるのですが、この本の時期の伊集院さんは東日本大震災の後ということもあり、少し内省的な気がします。沈んでいる気がします。伊集院さんに限らず、2011年はもとより2012年も2013年も日本全体としてそういう傾向がありましたが・・・。しかしこのシリーズはネット上での評判を見ていると、結構怒りというか反感の声が上がっている(まあよほどの感慨を持った人でないとわざわざアマゾンに書き込んだりしないものでしょうが)ものの、とても売れ行きの良いシリーズのようで、伊集院さんの代表作ともなりつつある感じがします。

さて、年が明けると間もなく成人式ですね。毎年成人の日の朝刊に乗せられる伊集院さんの短文を楽しみにしているのですが、来年はどんな内容になるのでしょうか?

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