2013年1月14日月曜日

第61回:「インテリジェンス 武器なき戦争」手嶋 龍一、佐藤 優

レーティング:★★★★★☆☆

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。

新年一冊目のレビューは先月読んだ本で、遅れて掲載したものです。 最近しばらく読書が捗っておらず、当面状況は変わらなさそうですが、図書館やら本屋で本も仕込んでますので可能な範囲で読んでいきたいと思いますので、気長にお付き合い下さい。このブログは2011年に開始したのですが、2年目に当たる2012年は数えてみると27冊でした。30冊を超えていた2011年に比べるとややペースダウンですが、見返してみると楽しく、思い出に残るものが多く、収穫のある1年でした。

さて、レビューです。著者の二人が好きで買ってしまった一冊です。手嶋さんのNHK時代はよく知らなかったのですが、辞められてからは外交やインテリジェンスといった分野で積極的に発言されているのを知りました。ちなみに著作の「ウルトラダラー」はプロの作家かと思うほど面白いものでした。

佐藤さんはいわゆるムネオ事件ですっかり有名になりましたが、初期のロシアものの作品は本当に面白いです。むつかしい人のようですが、まだまだバリバリ働ける方だと思うので、どこかで政治なり、外交なりにもう一度直接関わって欲しいなぁと勝手ながら思います。

隣国との領土を巡る話題が多い今日この頃ですが、良くみるとアセアンもアフリカも中東も、果てはいまだにフォークランドもそうですが、世界中で領土やそれに限らない多様な揉め事に溢れています。本書はインテリジェンスとはなにかと定義した上で二人の経験や取材などを元に話が進んで行きますが、どれも面白いものばかりで、上に書いたようなニュースにより関心が出てきます。日本版NSC含めて国のインテリジェンス体制整備が始まろうとしてますが、ぜひ有効な対策が取られるといいなぁと思います。 新書であり、比較的さらりと読めますが面白さは十分です。