2015年12月20日日曜日

第132回:「続・大人の流儀」伊集院 静

レーティング:★★★★★☆☆

前回レビューした伊集院さんエッセイ・シリーズの2冊目です。実はこの一冊から読みだしたのですが(2→3→1と読みました)、かなり面白い一冊でした。エッセイはこうこないとというかなりのこだわりが込められており、若い職人は休みなどない(オフィスワーカーでもこれはある程度そうだと思いますが)、震災後に花見を自粛するのは愚の骨頂(本書は2011年12月刊行)、どんな手紙が心を動かすのかなど、興味深いトピックが並びます。

本書のハイライトは残念ですが東日本大震災のような気がします。連載中にあの地震が起きて、伊集院さんは仙台にお住まいということで衝撃的な揺れに遭遇したことが描かれています。安易に情緒的になってはいませんが、そのさなかにいた物書きとして、住民の一人としてとても哀切な文章が見られます。これとは直接関係ありませんが、どういうきっかけか、元巨人の松井選手とも相当仲が良いようです。かなりの顔の広さですね・・・。

イメージを持っていただくために、アマゾンから拝借したタイトル(抜粋)を添付します。ご興味持たれた方は年末年始の帰省や移動のお供にいかがでしょうか?

・鮨屋に子供を連れていくな
・若い修業の身がなぜ休む?
・イイ人はなぜか皆貧乏である
・花見を自粛するのは間違っている
・高収入のスポーツ選手がそんなに偉いか
・若い時期にだけ出会える恩人がいる
・どんな手紙がこころを動かすのか
・大人が口にすべきではない言葉がある
・世間の人の、当たり前のことに意味がある
・男は死に際が肝心だ 他

なお、ご本人は気を付けているということですが、前回レビューした一冊とほぼ同じような話が出てくる場面がいくつかあるのが少し残念です。引き続き、続編をレビューしていきます。

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