2015年12月6日日曜日

第129回:「麻雀放浪記(二)風雲編」阿佐田 哲也

レーティング:★★★★☆☆☆

前回(第128回)でレビューした麻雀放浪記の続編です。作品の概略は前回記したとおりですが、今回はなかなか刺激的な描写から開始され、主人公の薬物中毒の模様から始まります。なかなかに描写が臨場感たっぷりで、たぶんこんな感じなんだろなと想像できるような生々しい感じです。作者の実体験も多少(ほぼ確実に)入っていたのかと思います。

いずれにせよヒロポン中毒となった主人公の哲はわけあって関西に行きます。そこで濃いメンツの大阪での麻雀、その後、京都での寺社を巻き込んだ麻雀へとのめり込んでいきます。(一)は青春編と銘打ってあったことからもわかる通り、爽やかな?青春譚といった趣きでしたが、今回はかなりディープで裏社会のメンツが顔を出す構成です。

本書で面白いのは寺院のお坊さんが寺ぐるみで麻雀を行っているシーンです。このような寺院が本当にあったのかは知る由もありませんが、あったら(ある意味)面白いと思いますし、そこに色々な人々が出入りしているというのが大らかでよいなあと思います。いずれにせよ、二冊目にしてかなーり濃い感じですので、三、四がどうなるのか怖いような楽しみなような・・・。

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