2012年10月7日日曜日

第53回:「深層意識への道」河合 隼雄

レーティング:★★★☆☆☆☆

著者名だけで(図書館で)借りてしまったのですが、結論から言ってかなり期待外れな一冊でした。まず、①タイトルと本の内容が余りに異なる(詳細は後ほど)、②内容が前回レビューした「未来への記憶」と大きく重複(1/3くらいはほとんどそのまま。同じ出版社(岩波)とはいえ…)、③ライトな語りで全体が構成されている(そういう趣旨の本では本来ないはず)、という点で非常に残念です。

本書は「グーテンベルクの森」というシリーズの一冊だそうで、これは岩波書店が著名人に頼んで、今までの読書遍歴を書いてもらうというものだそうです。他に佐和 隆光氏(経済学)、長谷川 眞理子氏(生物学)などが書かれているようです(2005年時点)。著者である河合氏はもちろんユング派の臨床心理学を専門としていましたから、本書の後半はかなりその関連の本が多く、前回と同様に関心のある人には非常に面白いと思います(良い読書候補ソースとなります)。

以下、個人的なメモとして本書に紹介されていたもので将来的に読んでみたいと思ったものを残しておきたいと思います(ごく私的なネタですみません・・)。

夏目 漱石:『門』、『道草』
L・ヴァン・デル・ポスト:『影の獄にて』(思索社)
C・G・ユング:『ユング自伝‐思い出・夢・思想』(みすず書房)
山口 昌男:『道化の民俗学』(新潮社)
白洲 正子:『明恵上人』

あと神話の話がたくさん出てきますので、そういう方面に興味がある方にもお勧めです(私は全然分かりませんが)。

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