2018年9月1日土曜日

第196回:「グリード ハゲタカⅣ」真山 仁

レーティング:★★★★☆☆☆

たまたま同じような時期に読み終わったので、久々の一日2回分アップとなります。なぜか最近は気分的に本を読みたい、読める感じがするので読書の秋を先取りでいろいろと読みたいものを読んでいきたいと思います。さて、本書は今更説明不要なハゲタカシリーズの第四作です。第三作(日本の大手自動車メーカーが舞台)は読んでいないのですが、先にこちらを読んでしまいました。現在(もう終わったかな)テレビドラマでハゲタカがやっており(今度はNHKではない)、それに触発されて久々に読みたいと思い借りましたが、テレビドラマは全く見ていません。それは別としてテレ東でやっている「ラストチャンス再生請負人」をたまに見ますが、結構面白いです。仲村トオルはいつまでも若々しくてかっこいいですね。

本書に戻ると、いつも通り主人公の鷲津が率いる買収ファンドが主役となりますが、今回はリーマンショックを舞台としてニューヨークやワシントンDCで話が進行していきます。もう10年前かと思うと感慨深いですが、ちょうどリーマンが倒産寸前となり、どこまで投資銀行が潰れるのか、AIGはどうなるのか、商業銀行ももしかしたらというような話が毎日のように飛び交い、非常に切迫感があったことを覚えています。リーマンが破たんし、従業員たちが小さな段ボールや荷物をまとめて出ていく映像は強く頭に残っています。今回はそういう投資銀行とアメリカの名門企業が対象として出てくるのですが、リーマンショックの説明や描写が長く、肝心の買収がゆっくりとしか進まないので、ハゲタカの真骨頂の一つである息詰まるハイペースでの進行とはなっていないのが、やや残念でした。しかしながら、全体としてはメッセージ性もあり、またスケールの大きさも十分の読み応えある一冊です。

ハゲタカシリーズは本作がメインモノの最新作ですが、2015年に外伝という大阪を舞台とした作品が一作あるようです。著者の真山さんは大阪出身ですので、土地勘もあるでしょうし、面白い作品に仕上がっているのではないかと思います。ぜひ読んでみたいところです。

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