2017年2月19日日曜日

第164回:「「カエルの楽園」が地獄と化す日」百田 尚樹、石 平

レーティング:★★★☆☆☆☆

この標題からわかる通り、『カエルの楽園』という百田さんの本がベースとなっており、同書を読んだ石さんが百田さんに対談を申し込んで始まった一冊です。『カエルの楽園』を読んでいないので、なんだか順序が逆になってしまっているのですが、こちらもいつか読んでみたいと思います。ちなみに『カエルの楽園』は寓話形式で書かれているようで、要は現在の極東や日本の外交、政治情勢を大胆な予測を交えて描いているようです。

さて、本書は保守系の著作を多く書いている百田さんと日本に帰化した元中国人の石さんの2日に亘る対談を取りまとめています。百田さんはここ数年話題の作家です。いろいろと賛否両論ある方ですが、中国については強い関心を持っているようです。前半は今の日本の政治状況や中国からひしひしと受ける軍事的なプレッシャー(尖閣など)についての認識が語られていき、尖閣や沖縄を突破口として、日本全体に対する軍事的な野心について強く警鐘を鳴らす内容となっています。

後半部分についてはかなりの予測が含まれているので、私にはあっているのかどうなのかよくわかりませんが、しかしながら石さんが描いている通り過去のウイグル族やチベット族への支配は確かに苛烈なものであり、日本が仮にこういう少数民族のような立場に置かれればとても厳しい立場になることは想像ができます。他方、日本はそういう状況に容易に陥る状態にはないことも同時に事実かと思います。

この前の日米首脳会談では、尖閣諸島が安保条約の対象足りうるかを一つの最重要ポイントとして確認していったように、確かに極東の情勢は昨今かなり緊迫の度合いを増している感じはします。

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