2011年4月3日日曜日

第8回:「努力しない生き方」桜井 章一

レーティング:★★★☆☆☆☆

麻雀好きな人であればご存知かもしれませんし、そうでない人も耳にしたことがあるかもしれませんが、雀鬼と呼ばれた桜井氏による生き方?本です。現代の人々の生き方や社会が「足し算」の積み重ねから出来ているとして、そうではない「引き算」や「足さない」ことを通じて違う生き方を目指すというもので、著者の実体験や考えから構成されています。

一つ一つの内容は突飛ではなく、頑張れば全てが叶う的な自己啓発本への強烈なアンチテーゼとしての面白さがあります。例えば、「壁を乗り越えられないのは、壁を意識しすぎるからである。(中略)壁は越えるのではなく、上に乗っかればいいと思う。(中略)壁となっている問題をとりあえず丸ごと受け入れるということである。」とか、「人というのはもともと、意味を持たない不合理な存在としてこの世にあらわれたのであるる。(中略)「意味を求める」姿勢だけでいくと、人は意味に縛られて窒息してくる。」など、なかなか(私としては)面白いと思える言葉がよく出てきました。

レーティングはやや低いのですが、各メッセージには著者の想像から来た部分が多く(実体験もあるけどやや具体性に欠ける)、買って手元に置いておいて読み返そうという気にはならなかったことが原因です。著者に言わせれば、こういう感じ方が既に相当「足し算」もしくは効用追求型の読み方ということかもしれません。

大学受験中の学生などには進められませんが、少し疲れたなーと感じられた社会人の方などにはふっと気づきのある本かもしれません。軽いタッチで1-2時間もあればさらりと読めるので、夜にビールでも片手に寝る前読む、そんなスタイルで向き合うと楽しいかもしれません。

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