2014年2月6日木曜日

第86回:「ザ・プロフェッショナル」大前 研一

レーティング:★★☆☆☆☆☆

言わずと知れた大前さんが2005年に出版された一冊です。いつか時間ができたら読もうかなぁと思っているうちにもう9年も経ってしまったことが驚きですが、遅ればせながら図書館で借りてきました。既にレビューしている大前さんの代表作「企業参謀」が素晴らしいものであったのに、本書は読んでみて非常に残念でした。人の時間は限りがあるので、途中で読むのをやめようかと思いましたが、後半良くなるかもしれないと読み続け、そして不可解な印象と混乱が残ってしまいました。

勝手に低レーティングを付けるのも失礼なので、その理由を列挙してみます。

①内容がとびとびで「ザ・プロフェッショナル」という21世紀のビジネスパーソンのあるべき姿から拡散しており、なにが言いたいのか殆ど分からない。

②コンサルタントスタートだからか、どこまでいってもデルやGE、マイクロソフトといった如何にもビジネススクールが好きな企業の例が並び、その分析がどれも巷の経済雑誌に書かれているレベルで、独自のものが殆どない。

③(①につながる点ですが)サブタイトルが「21世紀をいかに生き抜くか」というものですが、21世紀の企業競争の要諦について、20世紀的なロジックのアプローチが通じるといってみたり、通じないといってみたりぶれており、結局20世紀と21世紀の特徴、違いがごちゃごちゃになっている。

そこらへんの経済評論家やゼミの課題作文ではなく、大前さんなのでこのようなタイトルの大上段の本をだされる以上はもっと整理されたものになっているのかと期待してたのですが、かなり混乱した内容になっている気がします。やはり経営者の一代記のようなリアリティのあるもの、学者でも突っ込んで事例を調べているものの方が面白く、また為になるなあということを再確認する事例でした。残念です。

0 件のコメント:

コメントを投稿