2019年5月11日土曜日

第216回:「マネジャーの教科書」ハーバード・ビジネス・レビュー編集部(編)

レーティング:★★★★★★★

本書は部下を持つ立場になった新任マネジャーすべてに向けてまとめられたもので、HBRに掲載された論考11編をまとめたものです。本書はいわゆるビジネス・スクールの教授やコンサルタントが書いているものが大半であり、現実に立脚した、そうだよね、そういうことだよねという実感を伴う話が多く、とてもお勧めできます。また、自分の凝り固まった考え方、例えばAuthenticityが振る舞いにおいてとても重要である、といったコンセプトについてもそれを認めつつ、いかに視野の狭い考え方となりうるかを解説していたり(第7章)、非常に発見が多いのが特徴です。

面白いなと思うのは執筆陣はすべて外国人ですが、日本の会社の文脈でもまったく妥当性を失わず、普遍的であること。さらには結構前に書かれた論文もありますが、時代は変われどその有用性はほとんど変わらないなど、いつの時代も同じようなことを考え、悩み、組織人は生きていくのだなと感じられます。第2章の 「メンバーを変えずにチームで改革を進める法」などは非常に現実的な問いかけですし、第8章の「上司をマネジメントする」といった発想も重要でしょう(もっともこれは若い時から重要だと思いますが)。

本書は図書館で借りましたが、あまりに内容がよいので自分で買おうと思っています。久々の満点です。

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