2019年1月20日日曜日

第206回:「果断(隠蔽捜査2)」今野 敏

レーティング:★★★★★☆☆

昨年最後にレビューした第204回の隠蔽捜査の続編です。全く接点のない作品でしたが、年末に読んで面白かったので続編を図書館で借りてみました。キャリア警察官僚が大森警察署長として左遷されてきましたが、その後の活躍を描くものです。新米所長の戸惑いや葛藤をうまく描きつつも、地元の警察官の好奇の眼差しとプロ意識、更には本庁との関係などがぎっしり詰め込まれています。前作より文章がこなれているのか、すいすいと読めますし、ストーリーも割と明快に設定しているので楽しく1日で読むことができました。

なにげない強盗事件、緊急配備からストーリーは急展開します。前半であれ、もう終わり?という感じになりますが、そこからが面白い展開になって読みごたえがあります。隠蔽捜査は人気シリーズであるようで、更に第3巻も読んでみようと思っています。ちなみに本書は、山本周五郎賞と日本推理作家協会賞も受賞ということで、前作に続き、著者の出世作といえる作品です。

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