2018年3月25日日曜日

第185回:「こころの読書教室」河合 隼雄

レーティング:★★★★★★☆

この本は2度目のレビューとなります。第126回(2015年10月)に読んでレビューをしていますが、2週間ほど前に外出直前になにか本をもっていこうと思ってカバーのついた文庫本をカバンに入れていったのですが、その本がこちらでした。一度読んだ本のカバーはとることを習慣としているのですが、この本は当時忙しかったのかそのままとなっていました。

この本は河合さんの最晩年に描かれた本で、厳密には語り下ろしを本にしたものです。児童文学などを中心に紹介しながら心というものを解き明かしていくコンセプトですが、記憶にあったよりずっと深いものをテーマにしており、改めてその優しい語り口に心打たれるものがあります。臨床を扱う心理士/学者として、なにより患者であったり不調に抱える人に対するとても優しい目線をもっています。また、無意識が顔を出してしまうことがある、というスタンスでそれによる支障をそのまま受け止め、むしろそこから汲めるものが人生を豊かにするという姿勢をもっており、さすがユング派の大家という感じです。

本が数十冊紹介されており、どれも面白そうなのですがいまそのうちの一冊を読んでいます。もう1冊読んでみたいと思うのですが年度末もありやや時間がとりにくく、GWあたりにでもゆっくり読んでみたいと思います。最近は帰りの電車で疲れてぼーっとスマホを眺めることが多かったのですが、文庫は手に取りやすく、河合さんの優しい語り口にずいぶん癒されました。2回目ですが、前回より深く理解できた感じがします。もう一度数年後に読みたい一冊です。

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