2017年10月1日日曜日

第176回:「仏の発見」五木 寛之・梅原 猛

レーティング:★★★☆☆☆☆

わざわざ解説がいらないと思われるお二人の対談です。ホストは五木さんという構成であり、発見シリーズというものの一冊だそうで、ほかには「気の発見」、「息の発見」などがあるそうです(いずれも読んでません)。五木さんは親鸞や蓮如などについての小説があり、仏教に造詣が深いということ(読んでいません)で、哲学者であり仏教の大家の梅原さんと対談となった、というわけです。

しかしながら、正直言ってとても物足りない一冊です。五木さんの話を期待する方も梅原さんの深い話を期待する方も、この内容ではやや失望するのではないでしょうか。二人が自分たちの著作を紹介しつつ、親鸞、蓮如、法然などについての考え方を意見交換していきますが、正直言ってものすごく新しい内容もないですし、対談ならではの深まりもありません。お二人の知識が仏教について同じように深く、またベクトルが近いからか、対談ならではの意見の違いから浮き彫りにされる論点などもありません。

五木さんのエッセイは何冊か読んでいますが、代表作である「青春の門」や親鸞、蓮如を扱った作品は読んでいなかったので、これはこれで面白そうですし、読んでみようと思います。

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