2014年3月23日日曜日

第90回:「フラニーとズーイ」サリンジャー(村上春樹訳)

レーティング:★★★☆☆☆☆

村上春樹氏翻訳の文庫新刊が出るということを聞き、ファン故の愚かさで発売直後に買ってしまいました。『ライ麦畑でつかまえて』はすごく好きというレベルではありませんが、それなりに好きだったのですが、本作品はまったく良さが分からず閉口してしまいました。おそらく作者、翻訳者をブラインドにして読み始めたら、半分読まずにギブしてしまっていたと思います。

村上氏は本書を若いころ(といっても10代だそうですが)に読んで良さがわからなかったけど、近年再読してその良さに惹かれたそうです。私は既に10代とはほどとおいところに来ていますが、いつか再読したらその良さが分かるようになるのでしょうか。手短になぜ閉口したかを書くと、まず文章がやたらに装飾的でまわりくどく、文意がつかみにくい。主題がわからず、かといってディティールや雰囲気にも没入することができない、というものです。何度か読むのをやめようかと思いましたが、単純にもったいない、また後半良くなるのではないかという淡い期待で読み進めました。

近年読書の大漁状態が続いていたので、小休止的な意味でこういう期待外れに終わるものがあってよかったのかもしれません(とせめて前向きに考えてみます。

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