レーティング:★★★★★☆☆
遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
新年一冊目のレビューは先月読んだ本で、遅れて掲載したものです。 最近しばらく読書が捗っておらず、当面状況は変わらなさそうですが、図書館やら本屋で本も仕込んでますので可能な範囲で読んでいきたいと思いますので、気長にお付き合い下さい。このブログは2011年に開始したのですが、2年目に当たる2012年は数えてみると27冊でした。30冊を超えていた2011年に比べるとややペースダウンですが、見返してみると楽しく、思い出に残るものが多く、収穫のある1年でした。
さて、レビューです。著者の二人が好きで買ってしまった一冊です。手嶋さんのNHK時代はよく知らなかったのですが、辞められてからは外交やインテリジェンスといった分野で積極的に発言されているのを知りました。ちなみに著作の「ウルトラダラー」はプロの作家かと思うほど面白いものでした。
佐藤さんはいわゆるムネオ事件ですっかり有名になりましたが、初期のロシアものの作品は本当に面白いです。むつかしい人のようですが、まだまだバリバリ働ける方だと思うので、どこかで政治なり、外交なりにもう一度直接関わって欲しいなぁと勝手ながら思います。
隣国との領土を巡る話題が多い今日この頃ですが、良くみるとアセアンもアフリカも中東も、果てはいまだにフォークランドもそうですが、世界中で領土やそれに限らない多様な揉め事に溢れています。本書はインテリジェンスとはなにかと定義した上で二人の経験や取材などを元に話が進んで行きますが、どれも面白いものばかりで、上に書いたようなニュースにより関心が出てきます。日本版NSC含めて国のインテリジェンス体制整備が始まろうとしてますが、ぜひ有効な対策が取られるといいなぁと思います。 新書であり、比較的さらりと読めますが面白さは十分です。
このBlogの目的は、シンプルです。ただ、私が読んだ本を評していくこと、それだけです。ちなみにジャンルの限定はなく、ただ一つのルールは、私が最初から最後までリアルタイムに読んだ本、それを書評することだけです(従って、昔読んだ本や全て読まなかったものは対象外)。
2013年1月14日月曜日
2012年12月22日土曜日
第60回:「虚像の砦」真山 仁
レーティング:★★★★★☆☆
前回の投稿から一か月以上空いてしまいました。細切れ時間やまとまった余暇を優先的に割り当てていることがあり、なかなか本が読めません。おそらくこの傾向は一旦2月くらいまでは続くので、やや不本意ですが続いてしまいそうです。もう1冊、今月は読んだので、後1冊は積み増したいところです。
ところで、本書は読み始めてすぐに「んんん・・なんか読んだことあるかも」と思い始め、少し進んで確信に変わりました。おそらく図書館で借りて、2年前くらいに読んだのでしょう。しかし、筋を結構忘れていることもあり、せっかくということで最後まで読みました。再読する気が起きるということはそれなりにおもしろかったということであり、二度目にも関わらずかなりぐいぐい引き込まれました。さすが真山 仁さんです。
真山さんは代表作が「ハゲタカ」シリーズであり、NHKでもドラマ化されました(こちらも面白かった)。経済小説がメイン領域で、本書はさらに著者のバックグラウンドである報道やメディアを射程に入れているため、相当冴えています。ハゲタカは世相というか時代を的確に切り取ったこともあり、大きな話題となった一方、本書はそれほどメディアからのカバーもなかった(そもそも既存大手メディアにとってはかなりの問題作ですが)気がします。しかしながら、内容の濃さ、スピード感、問題意識の高さなどは一級品であり、もっと評価されてよい作品に思われます。
文庫版で読みましたが約500ページ、短くはないですが読み始めたらぐぐっと読めると思います。年末年始の帰省のお供などにいかがでしょうか。ちなみに文庫版の解説は、稀にみるがっかりなものでした(本書の評価には全く関係ありませんが)。
前回の投稿から一か月以上空いてしまいました。細切れ時間やまとまった余暇を優先的に割り当てていることがあり、なかなか本が読めません。おそらくこの傾向は一旦2月くらいまでは続くので、やや不本意ですが続いてしまいそうです。もう1冊、今月は読んだので、後1冊は積み増したいところです。
ところで、本書は読み始めてすぐに「んんん・・なんか読んだことあるかも」と思い始め、少し進んで確信に変わりました。おそらく図書館で借りて、2年前くらいに読んだのでしょう。しかし、筋を結構忘れていることもあり、せっかくということで最後まで読みました。再読する気が起きるということはそれなりにおもしろかったということであり、二度目にも関わらずかなりぐいぐい引き込まれました。さすが真山 仁さんです。
真山さんは代表作が「ハゲタカ」シリーズであり、NHKでもドラマ化されました(こちらも面白かった)。経済小説がメイン領域で、本書はさらに著者のバックグラウンドである報道やメディアを射程に入れているため、相当冴えています。ハゲタカは世相というか時代を的確に切り取ったこともあり、大きな話題となった一方、本書はそれほどメディアからのカバーもなかった(そもそも既存大手メディアにとってはかなりの問題作ですが)気がします。しかしながら、内容の濃さ、スピード感、問題意識の高さなどは一級品であり、もっと評価されてよい作品に思われます。
文庫版で読みましたが約500ページ、短くはないですが読み始めたらぐぐっと読めると思います。年末年始の帰省のお供などにいかがでしょうか。ちなみに文庫版の解説は、稀にみるがっかりなものでした(本書の評価には全く関係ありませんが)。
2012年11月11日日曜日
第59回:「働く君に贈る25の言葉」佐々木 常夫
レーティング:★★★★★☆☆
ビジネス書で昨今かなり人気のある佐々木氏(元東レ経営研究所社長)の本です。就職したての甥への手紙という形式をとりながら、著者が社会人生活で大切だと思ったこと、大事にしているエピソードなどを書いているものです。
数年前だったと思いますが、著者の今までの来歴を書いた短いものを読んで衝撃を受けました。普通のビジネス・パーソンならとっくに挫折してしまうだろうなというような(主として)プライベートの難しさを抱えながら、仕事も家庭も放りだすことなく、妥協することなく取り組み、東レで大きな成功を収められました。相当に厳しい局面があったと思いますが、それを乗り切るバイタリティであり覚悟は尊敬に値します。なかなか本を読む機会はなかったのですが、今回手に取ってみました。
書いてあることは、誰も異を唱えない普通のものばかりです。しかし、そのシンプルというか真っ当さ(それを実践すること)こそが難しいのかもれません。たとえば「書くと覚える、覚えると使う。使うと身に付く」とか「せっかく失敗したんだ、行かさなきゃ損だよ。」などです。
内容を余り書くとただのネタばれになってしまうので控えますが、特に面白かったチャプターは、「欲を持ちなさい。欲が磨かれて志になる。」、「「それでもなお」という言葉が、君を磨き上げてくれる。」、「逆風の場こそ、君を鍛えてくれる」と「運命を引き受けなさい。それが、生きるということです。」あたりです。どれもこれも書いてみると陳腐極まりなく聞こえますが、佐々木氏の努力を重ねた半生のエピソードと一緒に語られるときわめて説得力があります。レーティングは普通ですが、ビジネスパーソン全般にお勧めの一冊です。
ビジネス書で昨今かなり人気のある佐々木氏(元東レ経営研究所社長)の本です。就職したての甥への手紙という形式をとりながら、著者が社会人生活で大切だと思ったこと、大事にしているエピソードなどを書いているものです。
数年前だったと思いますが、著者の今までの来歴を書いた短いものを読んで衝撃を受けました。普通のビジネス・パーソンならとっくに挫折してしまうだろうなというような(主として)プライベートの難しさを抱えながら、仕事も家庭も放りだすことなく、妥協することなく取り組み、東レで大きな成功を収められました。相当に厳しい局面があったと思いますが、それを乗り切るバイタリティであり覚悟は尊敬に値します。なかなか本を読む機会はなかったのですが、今回手に取ってみました。
書いてあることは、誰も異を唱えない普通のものばかりです。しかし、そのシンプルというか真っ当さ(それを実践すること)こそが難しいのかもれません。たとえば「書くと覚える、覚えると使う。使うと身に付く」とか「せっかく失敗したんだ、行かさなきゃ損だよ。」などです。
内容を余り書くとただのネタばれになってしまうので控えますが、特に面白かったチャプターは、「欲を持ちなさい。欲が磨かれて志になる。」、「「それでもなお」という言葉が、君を磨き上げてくれる。」、「逆風の場こそ、君を鍛えてくれる」と「運命を引き受けなさい。それが、生きるということです。」あたりです。どれもこれも書いてみると陳腐極まりなく聞こえますが、佐々木氏の努力を重ねた半生のエピソードと一緒に語られるときわめて説得力があります。レーティングは普通ですが、ビジネスパーソン全般にお勧めの一冊です。
第58回:「リストラクチャリング」ローランド・ベルガー・アンド・パートナー・ジャパン
レーティング:★★★★☆☆☆
人間の健康と一緒で、企業の業績も浮沈がありますが、企業の浮き沈みは時に従業員や取引先、株主などに大きな影響を与える社会的なイベントとなります。昨今、一部業界について企業業績に関する厳しい報道がなされたり、また大きな(他のセクターの)企業が国の関与もあり再生を遂げたりと、様々なリストラクチャリングに関係するニュースが多くなってきている気がします。
2000年前後のバブル崩壊後の不良債権積み上がりの時期、大手の金融機関を始めとして多くの破たん事例があり、毎週どこかで企業が行き詰っているように感じました。あのころほど暗い雰囲気はありませんが、そのあたりからどうして企業の業績は悪化するのか、一時的な悪化と大きな問題につながる悪化を隔てるものはなにか、また悪化したらどうすれば復活できるのか、そういうことへの興味が続いています。
本書は2001年発行なので、そんな厳しい経済状況に追い込まれ、金融機関の資産サイドを整理、融資先を再生させることが大きな社会的課題となっていた時期の本です。コンサルティング会社が出す本に典型的なことですが、分かりやすく、多少の事例を交えながら(ただし、公開情報を超えない浅いもの)、モデル的な対処について解説しています。本書は、真っ当に「止血」(キャッシュの流出阻止)、「描く」(成長シナリオの創出)、「進む」(シナリオの実行)という流れでポイントを書いています。この辺りは実際に数多くの事例を手掛けているはずなので、細かいコツまで含めて書いてあり、ここまで目配せしているのかと勉強になります。
他方、ルフトハンザ、日産等のケースも言及がありますが、こちらは新聞に書いてある程度の記事であり、あまり新しいところはなく、それを目当てに買うとがっかりされるかもしれません(もとい、すでに本屋には売ってない本かもしれませんが)。これ以上を知りたかったら、コンサルティングを申し込んでね、ということかもしれません。
人間の健康と一緒で、企業の業績も浮沈がありますが、企業の浮き沈みは時に従業員や取引先、株主などに大きな影響を与える社会的なイベントとなります。昨今、一部業界について企業業績に関する厳しい報道がなされたり、また大きな(他のセクターの)企業が国の関与もあり再生を遂げたりと、様々なリストラクチャリングに関係するニュースが多くなってきている気がします。
2000年前後のバブル崩壊後の不良債権積み上がりの時期、大手の金融機関を始めとして多くの破たん事例があり、毎週どこかで企業が行き詰っているように感じました。あのころほど暗い雰囲気はありませんが、そのあたりからどうして企業の業績は悪化するのか、一時的な悪化と大きな問題につながる悪化を隔てるものはなにか、また悪化したらどうすれば復活できるのか、そういうことへの興味が続いています。
本書は2001年発行なので、そんな厳しい経済状況に追い込まれ、金融機関の資産サイドを整理、融資先を再生させることが大きな社会的課題となっていた時期の本です。コンサルティング会社が出す本に典型的なことですが、分かりやすく、多少の事例を交えながら(ただし、公開情報を超えない浅いもの)、モデル的な対処について解説しています。本書は、真っ当に「止血」(キャッシュの流出阻止)、「描く」(成長シナリオの創出)、「進む」(シナリオの実行)という流れでポイントを書いています。この辺りは実際に数多くの事例を手掛けているはずなので、細かいコツまで含めて書いてあり、ここまで目配せしているのかと勉強になります。
他方、ルフトハンザ、日産等のケースも言及がありますが、こちらは新聞に書いてある程度の記事であり、あまり新しいところはなく、それを目当てに買うとがっかりされるかもしれません(もとい、すでに本屋には売ってない本かもしれませんが)。これ以上を知りたかったら、コンサルティングを申し込んでね、ということかもしれません。
2012年10月28日日曜日
第57回:「門」夏目 漱石
レーティング:★★★★★★★
夏目漱石の小説を読んだのは、もう10年以上前と記憶しています。中学だったかの頃に「吾輩は猫である」を読んで、さすが面白いなあと感激し、その後「こころ」を読み、どーんと重い作品であるため、漱石作品の持つ多様な側面を感じました。その後、「門」の第一部作に当たる「三四郎」を読むのですが、当時の私には(ましてや昔の)大学生の生活や考えは良く分からず、二度トライしたのですが、いずれも途中で断念してしまいました。
それから年月は流れ、「門」を薦める本に出会い、久々に読んでみようと思い、手に取ってみました。内容は余りに有名で、いたるところに紹介があると思うので割愛しますが、三四郎の主人公が結婚し、役所勤めを続ける日々の話です。こう書くとなんの面白みもないのですが、初期の先品と異なり薄い雲が終始立ち込めたような重苦しさや、その中での生活や主人公と妻の心の動きなどが生き生きと延々と描写されていきます。
中学生だったときより、今の自分は(累計では)ずっと本を読んできたわけですが、いま漱石を読むと、文体の完成度、文章の簡潔さと明瞭さ、色ではなく濃淡を描き出す筆力などすべて高いレベルでまとめられていることが良くわかります。さすがに世紀を超えて残る作家です。
「門」は三四郎シリーズの完結編なので、ここから「それから」に戻る手もありますが、結構重い本だったので漱石の後期とは一度間合いをとって、またいつか戻ってきたいと思います。久々の最高レーティングです、レベル高いです。
夏目漱石の小説を読んだのは、もう10年以上前と記憶しています。中学だったかの頃に「吾輩は猫である」を読んで、さすが面白いなあと感激し、その後「こころ」を読み、どーんと重い作品であるため、漱石作品の持つ多様な側面を感じました。その後、「門」の第一部作に当たる「三四郎」を読むのですが、当時の私には(ましてや昔の)大学生の生活や考えは良く分からず、二度トライしたのですが、いずれも途中で断念してしまいました。
それから年月は流れ、「門」を薦める本に出会い、久々に読んでみようと思い、手に取ってみました。内容は余りに有名で、いたるところに紹介があると思うので割愛しますが、三四郎の主人公が結婚し、役所勤めを続ける日々の話です。こう書くとなんの面白みもないのですが、初期の先品と異なり薄い雲が終始立ち込めたような重苦しさや、その中での生活や主人公と妻の心の動きなどが生き生きと延々と描写されていきます。
中学生だったときより、今の自分は(累計では)ずっと本を読んできたわけですが、いま漱石を読むと、文体の完成度、文章の簡潔さと明瞭さ、色ではなく濃淡を描き出す筆力などすべて高いレベルでまとめられていることが良くわかります。さすがに世紀を超えて残る作家です。
「門」は三四郎シリーズの完結編なので、ここから「それから」に戻る手もありますが、結構重い本だったので漱石の後期とは一度間合いをとって、またいつか戻ってきたいと思います。久々の最高レーティングです、レベル高いです。
第56回:「フロイトとユング」小此木 啓吾・河合 隼雄
レーティング:★★★★★★☆
日本を代表するフロイト派の医師である小此木氏と同じくユング派の心理療法家である河合氏(いずれも故人)の対談本です。ここ何回か、対談本が一般的傾向として如何につまらないかを書いたのですが、本書はその例外となる深く、広く、学ぶところの多い一冊となっています。なんでも本書は元々1979年に刊行されたものの、出版社の事情で入手が困難となり、復活を望む声に押されて1989年に復刊したとのことです。両対談者のまえがきとあとがきでも読み取れますが、ずいぶんと思い入れのある一冊だったようで、そのことは中身の濃さからも想像できます。
内容はタイトルのとおりで、両対談者がどのようにフロイトでありユングに学ぶようになったかというヒストリー、フロイトやユングの中心的な考え方・アプローチの相違点、日本や東洋におけるフロイトやユングの意義などが語られていきます。内容としてはやさしいところから高度なところまでカバーしていますが、対談という性質かするすると読めますし、それでいて内容は手を抜いているところはありません。世の中にフロイトやユングについて書いた本は多いですが、日本の第一人者が対談形式で迫ったものはなく、貴重なものかと思います。なお、対談が行われた時代が時代なので、若干学生運動やいじめ問題(こちらはまだ隆々と続いていますが)も触れられていますが、特に時事ネタに偏っていることはなく(むしろほとんどない)、現代でも全く違和感のない内容です。
面白いのは、「科学」たらんことを目指し、組織、系統だったものを重視したフロイトを学んだのは、慶應医学部を出て、医師として研究・実践した小此木氏であり、それに対して徹底して対象の「内面」に重きを置いて、ある意味対象の外部に起こった事象は意味を持たないというくらいの割り切りを見せたユングをつぶさに学んだのが、医師ではない河合氏であったことです。フィットというのでしょうか、それぞれのキャラクターは、よくフロイトやユングにあっているようです。また、相違点のみならず、フロイトとユングの相互の影響やお互いに認め合っているところもたくさん読み取れます。
個人的な備忘になってしまいますが、ボス(スイス)、ライヒ(オーストリア)、ラカン(フランス)も著作をいつか読んでみたいと思います。
日本を代表するフロイト派の医師である小此木氏と同じくユング派の心理療法家である河合氏(いずれも故人)の対談本です。ここ何回か、対談本が一般的傾向として如何につまらないかを書いたのですが、本書はその例外となる深く、広く、学ぶところの多い一冊となっています。なんでも本書は元々1979年に刊行されたものの、出版社の事情で入手が困難となり、復活を望む声に押されて1989年に復刊したとのことです。両対談者のまえがきとあとがきでも読み取れますが、ずいぶんと思い入れのある一冊だったようで、そのことは中身の濃さからも想像できます。
内容はタイトルのとおりで、両対談者がどのようにフロイトでありユングに学ぶようになったかというヒストリー、フロイトやユングの中心的な考え方・アプローチの相違点、日本や東洋におけるフロイトやユングの意義などが語られていきます。内容としてはやさしいところから高度なところまでカバーしていますが、対談という性質かするすると読めますし、それでいて内容は手を抜いているところはありません。世の中にフロイトやユングについて書いた本は多いですが、日本の第一人者が対談形式で迫ったものはなく、貴重なものかと思います。なお、対談が行われた時代が時代なので、若干学生運動やいじめ問題(こちらはまだ隆々と続いていますが)も触れられていますが、特に時事ネタに偏っていることはなく(むしろほとんどない)、現代でも全く違和感のない内容です。
面白いのは、「科学」たらんことを目指し、組織、系統だったものを重視したフロイトを学んだのは、慶應医学部を出て、医師として研究・実践した小此木氏であり、それに対して徹底して対象の「内面」に重きを置いて、ある意味対象の外部に起こった事象は意味を持たないというくらいの割り切りを見せたユングをつぶさに学んだのが、医師ではない河合氏であったことです。フィットというのでしょうか、それぞれのキャラクターは、よくフロイトやユングにあっているようです。また、相違点のみならず、フロイトとユングの相互の影響やお互いに認め合っているところもたくさん読み取れます。
個人的な備忘になってしまいますが、ボス(スイス)、ライヒ(オーストリア)、ラカン(フランス)も著作をいつか読んでみたいと思います。
2012年10月20日土曜日
第55回:「レバレッジ勉強法」本田 直之
レーティング:★★★★☆☆☆
先日読んだ同じ著者の『レバレッジ・シンキング』のシリーズです。今回は社会人の勉強法に焦点をあてたものです。かなりの部分が『レバレッジ・シンキング』の内容とかぶってはいますが、自分用のメモも兼ねて内容をご紹介したいと思います。ご興味ある方は、手に取ってみる価値が十分にある一冊だと思います。
まず、本田氏は勉強を三種類に分類します。すなわち、①試験、資格、②知識、ノウハウ、③情報です。そして趣味的なものを除けば、社会人の勉強は将来継続的なリターンを得るための投資と割り切り、7つのチェックポイントで極力向いていない勉強や目的のあいまいな勉強を排除しようと呼びかけます。社会人が自由にできる時間はやはり限られているので、それを効率的なところに振り向け、さらに少ない投入量で目標に達することを繰り返し説きます。
具体的な分野としては、①語学、②IT、③金融知識を挙げ(これは人によって異なると思いますが)、勉強するための「仕組み」づくりを提唱しています。マニュアルのフル活用、アクティブ思考、ノルマ化、時間割などを駆使して、効率的かつ持続的な勉強を・・というノウハウが描かれていきます。
なお、最後の方にはこんなPCを使うといいとか、お勧め文房具などが紹介されており、さすがにこれは要らない内容である気もしますが、まあこういう柔らかいネタもなかなか面白く、嫌みなく紹介されているところが、本田氏らしくてすごいな、と感心しました。
いっちょ勉強しようかな、という方にお勧めです。ちなみに社会人向けに書かれていますが、学生さんが読んでも十分に使える内容だと思います。
先日読んだ同じ著者の『レバレッジ・シンキング』のシリーズです。今回は社会人の勉強法に焦点をあてたものです。かなりの部分が『レバレッジ・シンキング』の内容とかぶってはいますが、自分用のメモも兼ねて内容をご紹介したいと思います。ご興味ある方は、手に取ってみる価値が十分にある一冊だと思います。
まず、本田氏は勉強を三種類に分類します。すなわち、①試験、資格、②知識、ノウハウ、③情報です。そして趣味的なものを除けば、社会人の勉強は将来継続的なリターンを得るための投資と割り切り、7つのチェックポイントで極力向いていない勉強や目的のあいまいな勉強を排除しようと呼びかけます。社会人が自由にできる時間はやはり限られているので、それを効率的なところに振り向け、さらに少ない投入量で目標に達することを繰り返し説きます。
具体的な分野としては、①語学、②IT、③金融知識を挙げ(これは人によって異なると思いますが)、勉強するための「仕組み」づくりを提唱しています。マニュアルのフル活用、アクティブ思考、ノルマ化、時間割などを駆使して、効率的かつ持続的な勉強を・・というノウハウが描かれていきます。
なお、最後の方にはこんなPCを使うといいとか、お勧め文房具などが紹介されており、さすがにこれは要らない内容である気もしますが、まあこういう柔らかいネタもなかなか面白く、嫌みなく紹介されているところが、本田氏らしくてすごいな、と感心しました。
いっちょ勉強しようかな、という方にお勧めです。ちなみに社会人向けに書かれていますが、学生さんが読んでも十分に使える内容だと思います。
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